ドラゴンクエスト3

目次

  1. トップページ
  2. はじめに
  3. 企画の概要とルールの説明
  4. プレイヤー紹介
  5. 各作品のルールと戦略
  6. 実況
  7. レポート
  8. Presented by 東京大学ゲーム研究会

レポート

◆戦略構築の過程

五月祭でDQ3RTAを行ったときはイシスの「祈りの指輪」を売らずに取っておきましたが、この場合はイシスで十分な防具を買い揃えることができません。そのためノアニールに寄り「皮の腰巻」を取る必要が出てきて、その時間的ロスが前半のタイムに大きくのしかかっていました。
今回は素直に(?)この「祈りの指輪」を売却して十分な量(「鉄の鎧」2、「鉄の盾」、「鉄兜」2)防具を購入し、ノアニールには寄らないことを決めました。

◆戦略
基本的には一般的な、いわゆる「勇戦盗魔」の戦略に準じています。

重要アイテムの回収・各地のルーラ登録・盗賊と魔法使いの転職の順番などはかなり流動的に行われます。
「一次ガルナ狩り(盗賊がLv20になるまで、またはその手前まで経験値を稼ぐ)」のタイミングは固定されていますが、それ以降
「ムオルに行くこと、及びその有無」
「世界樹の葉の回収、及びその有無」
「最後の鍵の回収」
「テドンへ行くこと」
「ロマリアのアサシンダガーなどの回収」
「サマンオサへ行くこと」
「ラーの鏡の回収」
「サマンオサでの買い物」
の順番は流動的です。各地のメリット・デメリットなどを簡単に挙げておくと、

○ガルナの塔
・行くのに時間が掛かるが経験値効率は良い

○ムオル
・薬草、キメラの翼を購入可能
・オルテガの兜を回収可能
・教会に命の木の実が存在
・宿屋を使用可、皮の腰巻きも存在

○最後の鍵
・ムオルから行くのと、アリアハンから行くのとの2通り
・アリアハンからならよりエンカが狙える。アリアハンからは勇者がいないときか?
・テンタクルスの経験値がでかいので、バイキルト調整には向かないかも

○世界樹の葉
・勇者がいないとエンカウント対処が厳しい
・最後の鍵道中
・メタルスライムが出るので、バイキルト調整には向かない

○ランシール登録
・海でのエンカウントが狙えないこともない

○地球のへそ
・最後の鍵が必要
・ランシール登録後
・賢者の経験値稼ぎができる、魔法使いで潜るのもあり?
←リレミトが使えないとダメ

○テドン
・最後の鍵が必要
・テドン周辺で稼げないこともない、マジカルスカートも買える
→この後にガルナの塔に行く場合と相性がいい

○サマンオサ登録
・最後の鍵が必要
・勇者がいないと道中のエンカウント対処が厳しい
・ゾンビキラー、ドラゴンシールドを購入できるようになる
→ガルナの塔での狩りへの寄与は少なそう

○サマンオサ南
・サマンオサ登録後
・力の種も入手可
・勇者がいないと厳しい

○ロマリア
・最後の鍵が必要
・ボストロールなどに向けて薬草を魔戦に買いたいので,転職後が好ましい
・薬草、キメラの翼が買える
・エンカウントは狙えない
・風神の盾も取ることができる
となります。

たとえば、「カンダタ2戦を盗賊が死亡した状態で撃破した」場合などは、後の賢者の「ベホイミ」を考えると盗賊のレベルがぴったり20になった時点で転職することの価値が高いため、ガルナの塔でのメタルスライムの倒せ方にもよりますが、
一次ガルナ狩り(盗賊Lv20手前)→ムオル→世界樹の葉→最後の鍵→テドン(ここまででほぼぴったり盗賊Lv20にしつつ、「マジカルスカート」購入)→ロマリア→転職→二次ガルナ狩り(魔法使いLv21手前)→サマンオサ→ラーの鏡(ここまでで魔法使いLv21直前に調整)→サマンオサでの買い物(ここで忍び足を切る)→ダーマ(ここでセーブしてバイキルトを覚えるまで粘る)→転職→ランシール→ボストロール
というような進行をしたりします。



◆本番のプレイ

始まる直前は冒険の書を作る練習と、性格決めの選択肢を選ぶ練習をしていました。DQ3に関しては今まで「好記録を狙うために序盤でリセットする」プレイをしていなかったので、操作の慣れのウェイトが高い最序盤をプレイする回数が少なく、そこの操作が甘いと感じていたためです。

魔法使い・盗賊・戦士の性格は全て「タフガイ」。
序盤の逃げ運は非常によく、「魔法の鍵」入手は19分台。そのままイシスにも2人生存でたどり着くことができました。
カンダタ1には魔法使いレベル5で突入。魔法使いはレベル5で「ヒャド」を半分程度の確率で習得し、ここで習得できなくてもレベル6では必ず習得します。
五月祭の頃だと、ノアニールに寄ることもあり、基本的には「魔法使いレベル6」のラインまで経験値を稼いでいましたが、今回はレベル5でヒャドが入ったかどうかを考慮せず、「魔法使いレベル5」の経験値まで稼ぐ形にしています。「キャタピラー2+何か2」などの時間のかかりそうなエンカウントからは逃げても経験値は足りることが多いので、カンダタ1撃破のタイムが速くなる傾向にあります。
カンダタ2までは非常に順調で、撃破タイムは46分台。カンダタ2戦では「カンダタ子分」2体を倒した時のHP状況などを鑑みて、戦闘終了までの盗賊の装飾品を「怒りのタトゥー」にするか「星降る腕輪」にするかを決定します。今回は魔法使いがスカラを入れるタイミングで先制回復したかったので「星降る腕輪」を装備していました。

ガルナの塔ではあまりメタルスライムが狩れない展開。この不運で少し気持ちを乱し、ミスが目立ちました。
ガルナの塔の戦闘時に把握すべきことは、大別して
1.武器を2種類以上持っているキャラが、今どちらの武器を装備しているか(例えば、盗賊ならば「鋼の鞭」か「毒針」のどちらを装備しているのか)
2.武器を2種類持っているキャラの武器で、装備していない方の武器がアイテム欄の何番目にあるか
の2つだと思っています。
普段なら、1.はほぼ間違いなく可能、2.は8割くらいはできているのですが、今回のプレイでは、1.は1割くらいできていないことがあり、2.に関しては半分以上できていませんでした。
またRTA中では、運が悪い→気が滅入る→ミスをする→ミスが原因で気が滅入る→ミスをする→……という悪循環に陥ってしまいがちですが、今回もその例に漏れず、「最後の鍵を持っていないのにロマリアに行ってアサシンダガーを回収しようとする」というミスをガルナ狩り終了後にしてしまいました。これはガルナ狩り周辺の順番を流動的にしていたデメリットが出たと言えなくもないですが、プレイヤーがしっかりしていれば回避できたことです。
ちなみに今回は、
一次ガルナ狩り→転職→二次ガルナ狩り→バイキルト習得→転職→(ロマリアでアサシンダガーが取れず戻る)→最後の鍵→ランシール→ロマリア→テドン→サマンオサ→ラーの鏡→サマンオサで買い物→ボストロール
という流れになりました。

今回はボストロールに「ルカニ」が1回で決まり、これで気持ちを持ち直すことができました。ボストロールでの幸運は、ボストロール戦のタイム短縮という要素以外にもプレイにプラスをもたらしています。本当はこういう幸運に救われているようではだめなんですけどね……。
その後バラモス戦の開戦までは順調に進みました。バラモス戦は序盤に眠りが入らず、「メダパニ」でこちらが混乱してしまった上に1回のパーティアタックでは正気に戻らない、魔封じが入った後も「マヌーサ」が入っているのに相手の打撃が全くミスしない、などという苦しい展開で時間がかかりましたが、無事一発で死者を出さずに撃破することができました。

その後はゾーマ城の祭壇までは順調でしたが、バラモスブロス戦で純戦を死亡させてしまいました。「賢者の石」を純戦が使う他「賢者の杖」を魔戦が使う戦術を使用しましたが、魔戦がバラモスブロスに対して先制することが多く、有効に「賢者の杖」を使うことができませんでした。そしてHPが危なくなった純戦を賢者が回復しようとしたところ、ここでバラモスブロスに後行して死亡、という流れでした。
ここで「世界樹の葉」を使いゾーマ戦に向かうと、早々に賢者が死亡、最後の「世界樹の葉」を使用するも魔戦と勇者が連続して死亡し、なすすべなく全滅しました。これは「世界樹の葉」が2つあってもちょっと勝てる気がしなかったです。
ただ、バラモスブロス戦では魔戦の「ヘビメタリング」を外していなかったため先制が多かったという見方はできます。また、人さらいのアジト・スーや、ガルナの塔でドロップした「素早さの種」は全て転職前の盗賊に使っていますが、ゾーマ戦での魔戦の死亡は賢者の後行が原因で、バラモスブロス戦でも賢者の後行により純戦が死亡しているので、賢者の最終的な素早さをもっと大事にしてもいいのかもしれません。特に今回賢者の素早さは「タフガイ」であり、素早さ上昇の価値は「いのちしらず」の時よりは高いです。

再度挑戦した時は無事に撃破しました。ただしゾーマ城に行く前のエンカウントで「マドハンド」に「だいまじん」を簡単に呼ばせてしまったりもしたので、そこは集中力高くプレイしなければなりませんでした。

◆反省
最近僕は「有限の時間の中でRTAをどう上達させるか」ということを気にしており、そのためにはプレイ中動揺せず長時間にわたり集中力を発揮し続けることが不可欠だと感じています。
連続RTAの最初のプレイヤーでしたが、あまり(不必要に)緊張することなくプレイをすることができたと思います。一方で、悪運を引いた後のプレイが甘くなってしまうという問題点を再確認させられました。特に途中の休憩がない場合、悪運にまったく動揺せずにプレイし続けられるようになる糸口がなかなか掴めていないのですが、試行錯誤を繰り返してなんとか改善しようと思います。
DQ3のことに関して言えば、やはり後半の素早さに関する認識が甘かったように思います。バラモスブロス戦での「ヘビメタリング」はともかく、今まではほぼ確定で「素早さの種」を転職前の盗賊に使っていましたが、性格によって切り替えるということを行う必要がありそうです。