TYPE-MOON聖地巡礼記事

この記事は、東京大学ゲーム研究会アドベントカレンダー2024、14日目の記事です。

はじめに

 みなさん、こんにちは。本日は12月14日の記事ということで、Steam版『魔法使いの夜』発売1周年を記念して型月作品の聖地を紹介していきたいと思います。記念日と言うにはこじつけのような気もしますが、去年の冬コミ、そして今年1月のFate/stay night発売20周年という絶好のタイミングを逃してしまっていたところ、今回のアドベントカレンダーがちょうどいい機会だったので執筆することにしました。素材自体は約1年前に集めたものになっていることはご了承ください。

 また、今回、聖地巡礼のための下調べや記事を書くにあたって、Angler様、燈蓮寺エス様、えみーる様の記事を大いに参考にさせてもらっています。もし興味があるようでしたら、リンクを貼っておくので、そちらもご覧になってください。

Angler様

http://blog.livedoor.jp/anglerpon/archives/1001107617.html

燈蓮寺エス様

https://hayabusa8823.hatenablog.com/entry/2021/09/09/000000

えみーる様

https://mahoroku.blog.jp/?ref=foot_btn_st_home&id=6308534

『Fate/stay night』

作品紹介

 言わずと知れたTYPE-MOONの代表作であり、今年で発売から20年経つも、今なお色褪せない名作となります。今年の8月にはHDリマスター版が発売され、アニメや他メディアを通して知ったという人にも手に取りやすくなりました。今回の記事は、PSvita版[Réalta Nua]に準拠しています。

神戸・三宮エリア

神戸大橋・ポートアイランド北公園

 深山町と新都を結ぶ冬木大橋こと神戸大橋となります。写真を撮っているのは、ポートアイランド北公園という場所からです。ポートアイランド線の中公園駅から歩いていくことができ、横断歩道の少ない広い道路を渡るのが面倒なので、西口改札を出て歩道橋を使うことをおすすめします。セイバーがギルガメッシュにエクスカリバーを使うシーンで使われた、照明が見える背景は撮影し忘れました。不覚です。

 神戸大橋は歩いて渡ることも可能で、その歩道が背景に使われています。教会へ向かうシーンと教会から帰るシーンでは奥の街並みが異なり、新都には大きいビルが立ち並んでいることに拘りが感じられます。アーチ橋上部に着目して3、4本目の柱の辺りから撮るとゲーム内の位置となります。

風見鶏の館

 遠坂邸の外観及び内観に使われています。現在は耐震工事中につき建物内に入ることはできません。外観を撮影していてピッタリと一致しませんでしたが、どうやら横側から撮って左右反転させるといい感じになるらしいです。風見鶏の館の一室は間桐邸の部屋にもなっています。

うろこの家

 間桐邸の外観及び遠坂邸の内観となります。うろこの家の2階から庭を見下ろす構図は、Fate/Zeroのアニメでギルガメッシュが百貌のアサシンを迎撃したシーンにもなっています。

イタリア館(プラトン装飾美術館)

 間桐家の食卓があるらしいです。

不動通り

 柵の色こそ違いますが、間桐邸に続く坂道です。

北野会館前

 教会前の外人墓地とされる場所で、凛√では教会からの帰り道でイリヤ・バーサーカーと会敵します。セイバー√及び桜√、並びにDEEN版のアニメでは下の背景でイリヤと遭遇し、ufotableによるアニメでは函館の基坂が使われており、それぞれモデルが異なります。

摩耶観光ホテル跡

 イリヤ城から逃げる途中にあった廃墟です。北野異人館街からは離れた場所にあります。

明石エリア

織田家長屋門

 衛宮邸の外堀で、衛宮邸の館は別にあります。

兵庫県立弓道場

 穂郡原学園の弓道場です。開館時間には中に入って見学することも可能です。

幕張エリア

海浜幕張駅前

 作中で新都とされている場所です。海浜幕張駅は京成幕張駅の徒歩圏内ではありますが、異なる駅なので気をつけましょう。

エム・ベイポイント幕張(旧NTT幕張ビル)

 新都で一番大きいとされているビルです。海浜幕張駅の北口から歩道橋を渡って進むと簡単に着きます。

松籟邸

 衛宮邸のモデルとなります。見浜園の中にあり、建物を見るには入場料が掛かります。

東京・神奈川エリア

いろは坂通り

 聖蹟桜ヶ丘駅と京王永山駅を繋げるいろは坂通りに、深山町の洋風住宅地と和風住宅地を隔てる交差点と、学校前の坂道があります。聖蹟桜ヶ丘駅周辺には『Fate/kaleid kiner プリズマ⭐︎イリヤ』の聖地も多くあり、第2部後期オープニングでセイバーが燃える街を眺める階段らしき場所もあります。私が訪れたときには、プリヤのアニメで登場したさくら公園から遊具が撤去されていました。

遊行寺

 柳洞寺のモデルとなった場所で、藤沢にあります。

円覚寺

 柳洞寺の山門でアサシンが待ち構えていた場所と言われていますが、個人的には微妙なラインだと思っています。

梅屋敷通り

 深山町の商店街とされている場所です。フジカラーの隣にあった、ランサーがバイトしていた花屋はなくなってしまいました。梅屋敷にある鶴渡公園がイリヤと会った公園に雰囲気は似ていますが、そこまで一致はしていません。鶴渡公園自体は、『衛宮さんちの今日のごはん』に登場します。

その他

大浦天守堂

 言峰教会の元になった場所であり、世界遺産でもあります。

永平寺

 柳洞寺の内装は、福井県の永平寺が元になっています。桜√でセイバーが呪腕のアサシンと戦ってオルタ化する場所です。

イリヤ城

 イリヤ城は、1枚目の外観がChâteau de Brissac、2枚目の廊下がHaddon Hall、3枚目の部屋がNostell PrioryのState Dressing Room、4枚目の大広間がChatsworth HouseのPainted Hallと別々になっています。ufotableのアニメ版では、Schloss Neuschwansteinも外観に使われています。

残っていないもの

 言峰教会の内観のモデルとなったホテルモントレ神戸及び日本基督教団福島教会、穂郡原学園のモデルとなった日本基督短期大学は現在取り壊されてもう見ることはできません。

『Fate/hollow ataraxia』

作品紹介

 前述した『Fate/stay night』のファンディスクとなります。しかし、ファンディスクでありながらしっかりとしたストーリーラインがあり、やり応えのある作品です。こちらはまだPC版とPSvita版しかありませんが、リマスター版の制作は発表されているので、今まで少し手が出しづらかった人にも今後機会があれば手に取っていただきたい作品です。

神戸大橋

 お馴染みの神戸大橋ですが、車道からの構図になります。危ないので、運転しながらカメラを持つことはしてはいけません。

PLENA

 作品内でヴェルデと呼ばれる百貨店で、実は『Fate/stay night』の凛√にもちらっと登場しています。写真は海浜幕張駅前にあるPLENAの2階の広間で撮ったものを反転させました。

ワールドビジネスガーデン

 ラストシーンでセイバーが剣を構えているCGの背景になっています。Fate/Zeroでは切嗣によって爆破されていました。

有楽町マリオン

 姉弟遊戯において、ライダーとのデートで訪れた映画館です。かつてTOHOシネマズ日劇で上映中の作品が宣伝されていた広告は、2018年の日劇の閉鎖に伴って撤去されましたが、壁をよく見ると跡を見てとることができます。また、『タイガー道場劇場版』の内容は、PC版のみに収録されており、PSvita版ではカットされています。

東京サマーランド

 ヒロインたちと出掛けたプールです。

『月姫-A piece of blue glass moon-』

作品紹介

 いわゆる月姫R(リメイク)と呼ばれる作品です。2000年12月の冬コミで『月姫』が世に放たれ、2008年にリメイクの発表がされてから長年の月日を経て発売された待望の作品となります。『月姫』では全5人のヒロインがいた内、月姫Rでは月の表側と言われる2人分の√のみの実装となりましたが、作品内で前作にはない新たなヒロインが追加されることを示唆する描写があり、月の裏側が発売されるのが楽しみでなりません。

東京・神奈川エリア

渋谷スクランブル交差点

 最近は繁華街というよりは外国人が集まる場所となりつつあります。写真は左右反転させており、スターバックスコーヒーSHIBUYA TSUTAYA店が潰れたことで、少し風景が変わりました。

歌舞伎町

 街並みだけでなく、街灯まで合致しています。

伊勢丹新宿店

 吸血鬼の巣があったデパートです。下に貼った戦闘で陥没した街のデパートも多分同じです。

 

Humax Pavilion 新宿

 特徴的な建物があるのが分かると思います。噂になりがちのトー横にある建物です。

千駄ヶ谷トンネル

 ゲーム内以外にもPVで登場します。

東京ドームホテル

 ヴローヴによって燃やされたホテルです。

東洋大学京北中学高等学校の塀

 PVにも登場した通学路です。

日比谷公園の噴水

 リメイク前から引き続き舞台となっています。

不二家数寄屋橋店

 上空から見た景色もあります。場所としてはルミネ有楽町の屋上になるのでしょうか。

KDDI大手町ビル

 KDDIの文字とアンテナを収めるには、日比谷通りから見る必要があります。

品川駅港南口

 総耶駅そのまんまです。スマホのカメラだと画角が足りません。

開東閣

 遠野邸の門らしいです。

タワーマンション

 アルクの住んでいたマンションです。広場のようなところから撮ると完全に一致します。目黒駅周辺で探して見つからないことはないですが、住人がいる空間なので、他の聖地以上に迷惑を掛けないように気をつけましょう。

宝来公園

 宝来公園周辺の交差点を2つ組み合わせた背景となります。公園内の消火器の近くにあった木は伐採されていました。

横浜ランドマークタワー

 ランドマークタワーの足元にMichigan Central Stationがくっ付いています。

池袋大橋

 

 シエルルートオープニングアニメーションの開始12秒くらいのところに出てきます。パッと見ると微妙な感じもしますが、細かいパーツに着目するとしっかりと一致しています。

その他

新松戸駅のプラットホーム

 これもまたシエルルートオープニングアニメーションの開始23秒に表れます。

TOHOシネマズ西宮OS

 アルクと見に行った映画館です。

国外

 1枚目と2枚目が共に芸術家の街Montmartreであり、シエルが暮らしていた場所になります。3枚目がフランス事変のときノエルが逃げ込みシエルと出会った礼拝堂でSaint Nicolas des Champs、4枚目が聖堂教会のモデルCathédrale Notre-Dame de Rouen、5枚目がポーランドのBiałystokにあるKosciuszko Market Squareです。

残っていないもの

 新宿住友ビルのアルクとの待ち合わせ場所とアルクと立ち寄ったmozoワンダーシティのフードコートは失われました。

『魔法使いの夜』

作品紹介

 2012年にPC版、2022年にPS4・Switch版、2023年にSteam版が発売された比較的最近の作品となります。「彩(いろ)鮮やかに、声(おと)豊かに」というフレーズの通り随所に魅せ方の工夫が見られ、ビジュアルノベルであることを忘れるほど没入できるようになっており、根強いファンが多くいる作品です。『魔法使いの夜』は全三部作とされていて、番外編では新キャラが登場していることもあり、月姫Rと同様に続編が気になる作品です。また、映画化も発表されており、なかなか続報は来ませんが、これも期待できます。

東京・神奈川エリア

旧岩崎邸庭園

 久遠寺邸のモデルの一つで、3枚目の画像は反転させています。旧岩崎邸庭園では、土日祝日の撮影を禁止しており、平日に人物ではなく建物のみの撮影を許可しています。ルールは守って観覧しましょう。

 久遠寺邸のモデルは、明治村にある西郷從道邸や旧石川組製糸西洋館も用いられていることが、fgoのコラボイベントPVからも確認することができます。3枚目のロビーに関しては、旧岩崎邸庭園ではなく旧石川組製糸西洋館の可能性も高いです。なお、久遠寺邸の正門は鎌倉文学館らしいです。

表参道

 目抜き通りは、ユニクロとBEAMSのように見受けられる店があることからも表参道だと思います。ユニクロは1998年から2012年にわたって原宿でファッション業界を牽引した後に閉店し、2020年に再び原宿でオープンしました。表参道でのライトアップは金色であり、渋谷で青の洞窟が始まったのは2014年からでありまほよの発売より後であるため、イルミネーションについては完璧には符合しません。

新宿三井ビル

 青子と有珠が水族館に向かう場面で登場しました。新宿三井ビルはとても高いため、航空障害灯まで見えるように東京都庁の前辺りから撮影するとちょうど良くなります。

早稲田大学早稲田キャンパス1号館

 三咲高校の校舎のみがモチーフとなっていて、校舎以外の風景は後述する函館が聖地となります。人通りが多くて避けたのもありますが、別のアングルで撮れば良かったなと後悔しています。

浅草橋スターダスト

 橙子さんがいたパチンコ屋です。改装されて昔ほどそっくりではなくなりましたが、まだ面影は感じられます。

錦糸町

 三咲町の繁華街は錦糸町を元に描いているらしいです。

亀戸中央公園

 一つ目と二つ目がA地区、三つ目が道路を挟んだB地区にあるので気をつけましょう。

都道133号

 府中駅前のル・シーニュがあるところに以前は無印良品があり、ゲームと近い風景となっていました。赤い消火栓のポールが目印です。

山手教会

 合田教会の正門が見られます。教会の建物の外観はカトリック宮津教会、内観は黒崎教会がモデルとばらばらです。黒崎教会のステントグラスは美しかったですが、撮影禁止だったので、外からの写真だけ置いておきます。

よこはまコスモワールド キッズカーニバル・ゾーン

 ジェットコースターや観覧車はアミューズ・ゾーンにありますが、キッズカーニバル・ゾーンから撮ると全体像が見えて良くなります。子連れの客が来る場所なので、邪魔にならないようにしましょう。

その他

八千代台公園

 草十郎が青子の魔術を目撃した公園です。画像は左右反転させてあります。

鹿沼市立北小学校

 三咲高校の旧校舎の舞台です。

北海道立函館西高等学校

 三咲高校の校舎以外の部分のモデルとなっており、高校まで延びている八幡坂も聖地となっています。

国外

 地下鉄の駅Place Mongeが水族館帰りで人形に襲われた場所となります。

残っていないもの

 キッツィーランドのモデルの一部となったとしまえんは閉園、カーネーギ事件で会議に使った喫茶ベラミは閉業してしまいました。池袋のサンシャイン水族館はまだ存続していますが、受付の外見は大きく変わりました。

おわりに

 聖地の紹介は、以上で終わりです。都内に住んでいる人にとっては、意外と近場に聖地があったのではないでしょうか。特に、個性的で知られるTYPE-MOON本社ビルがある浅草橋周辺は、心なしかモデルとなっている場所が多いような気はします。もし聖地巡礼しようと思った方がいたら都区内パスを使うのがおすすめですが、都内限定でも1日で全て回るのはおそらく厳しいです。

 今回はアニメや書籍、その他ゲームについては取り上げませんでしたが、これらも含むと聖地は膨大な数となります。さらに、Fateシリーズに関しては、作品内の背景CGのモデルとなった場所や、「under the same sky」で登場した全国各地の名所だけでなく、サーヴァントの歴史が刻まれた場所というものがあります。何年か前に声優の川澄綾子さんがイギリスでアーサー王ゆかりの地を来訪していたように、サーヴァントの中には土地と強く結びついたものもいます。Fate作品は実際の歴史や神話をベースとしていることもあり、聖地巡礼をすることでよりキャラクターのことを知り、身近に感じることができるので、みなさんもぜひそういった場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。