【令和最新版】WHITE ALBUM2聖地巡礼記事

はじめに

 みなさん、こんにちは。今日はクリスマスイブということで、名作『WHITE ALBUM2』の記事を寄稿させていただきました。『WHITE ALBUM2』は、2010年にAQUAPLUSの美少女ゲームブランドLeafから発売され、10年以上たった今なお高い人気を誇っている作品です。本作は1998年に発売された『WHITE ALBUM』の続編となっていて、楽曲や作中の設定を引き継いでいる部分はありますが、ストーリーの繋がりはなく、前作をプレイしていなくても十分楽しむことができるようになっています。

 『WHITE ALBUM2』は、『パルフェ 〜Chocolat second brew〜』や『この青空に約束をー』で知られていた丸戸史明先生の持ち込み企画で制作された作品で、そのテーマは「浮気」です。本作では、その場の状況に流されやすい主人公がややこしい事態を招き、明確な悪者がいないにも拘らず、人間関係がドツボに嵌っていくというストーリーとなっています。一般的な通念として浮気は悪であるとされていますが、本作ではただ主人公のことをこき下ろせばいいという単純な作りにはなっていません。読み手も主人公たちと同じ視点に立ち、どうするのがいいのだろうか、どちらを選ぶのがいいのだろうかと悩み、葛藤させられるようになっていて、それがこの作品の醍醐味だと言えるでしょう。本作では高校生編のintroductory chapter、大学生編のclosing chapter、社会人編のcodaという3部構成が採られ、物語全体を通じて主人公たちに重くのしかかり気を滅入らせてくる確執に、codaで鮮やかに終止符が打たれます。icやccも十分に面白いですが、本作の魅力はやはりcodaにあり、このグランドフィナーレが本作を名作たらしめているのではないでしょうか。

 来年、AQUAPLUSが設立30周年の節目を迎えることもあり、『WHITE ALBUM2』の話題が盛り上がっているので、ちょうどいいタイミングだと思い、今回聖地巡礼記事を執筆することにしました。聖地を訪れたことがない人だけでなく、発売されてからそれなりの年月が経過していることから、過去に聖地巡礼したことがある人にも、今の風景に興味を持ってもらえたら幸いです。また、今回はアニメ版を参考にしつつも、専らゲーム版のイラストを取り扱うことにしています。

聖地巡礼

JR新宿駅7番線・8番線プラットホーム

 新宿駅構内は御宿駅構内のモデルに使われています。奥に青い車両が見え、JR新宿駅に発着する青い車両にはりんかい線がありますが、りんかい線のホームで駅名標とショップがある場所は階段下で天井が遮られていました。駅名標とショップがこのような配置にあるのは、7番線・8番線のプラットホームしかなかったです。もっとも、新宿駅のホームにベンチはなく、ゲーム制作時の新宿駅がどうだったかについては知らないので、ここに拘らずとも駅名標さえ写っていればそれでいい気もします。

新宿駅東南改札

 御宿駅の改札で、1・2番線に下野・東都方面の東都行き、3・4番線に木葉・面安方面の南千場行きと記されています。これがりんかい線や湘南新宿ラインを指していると考えると、ちょうど新宿駅の1〜4番線に当たることになり、これらの路線に近い東南改札がモデルになっていると推測することができます。

 ここだけ撮影し忘れたので今度余裕ができたら追加します……

新宿駅東口駅前広場

 codaで記者と揉めて公衆電話をかけてきたかずさと待ち合わせた場所です。新宿駅は大量の改札や出口があるダンジョンとなっていますが、ここから街へ繰り出すことが多い気がします。

新宿アルタ

 エクストラエピソード『不倶戴天の君へ』のラストシーンで登場する背景に使われています。このエピソードはcodaの浮気√のその後を描いた物語で、雪菜の春希への想いの深さが伝わってくる個人的に好きなストーリーです。ネタバレ画像になるので、ゲーム内からの画像の引用はなしにします。

紀伊國屋書店新宿本店

 繁華街として登場する背景で、ぱっと見ではあまり一致していませんが、ここが聖地だと思います。作品内でONJYUKU BOOKSがある右の建物は、写真で工事中の旧新宿マルイカレンに似ています。

伊勢丹新宿店

 春希が働いていた開桜社のモデルと言われていますが、かなり怪しいです。そもそもここはアニメ9話でデパートという異なる建物のモデルに使われていて、開桜社だとするのは眉唾物だと思います。

東京都道新宿副都心八号線

 ic終盤の春希がかずさを抱きしめるシーンで使われています。ゲームだけで背景を特定することは難しいですが、アニメ11話の同シーンで特徴的な損保ジャパン本社ビルが写っていたので、この通りだと思います。他に手掛かりとなるものは特にないので、この道沿いの任意の地点を聖地だと考えて問題なさそうです。

新宿中央公園ちびっこ広場

 御宿の駅の近くにある公園ですが、現実では新宿駅から少し歩いた場所にあります。元々はもっとゲームと似ていましたが、2022年9月のリニューアルオープンに伴う工事でだいぶ変わってしまいました。ちびっこの笑顔を思った新宿区の行政を非難できるはずもありませんが、景色が失われたのは残念です。

吉祥寺駅前

 高校や大学がある南末次駅のモデルです。南末次駅前には吉祥寺駅前が使われていましたが、2014年にリニューアルされた現駅舎とは相貌が一変しています。ストリートビューで2009年時点の駅舎を見ることができ、そちらでは瓜二つとなっています。

ゆりかもめ新橋駅プラットホーム

 ccのクリスマスイブに雪菜とのデートで有海に向かうときの駅です。有海は有明のことを指していると思われます。

お台場海浜公園

 雪菜とのデートでキスをした場所となります。奥にフジテレビ本社ビルらしき建物や観覧車が見えるので、お台場がモデルになっているのは間違いないと思います。ただし、お台場には去年までパレットタウン大観覧車がありましたが、それは既に解体されています。海とフジテレビ本社ビルと観覧車が同時に見えたはずの場所は撮影した道くらいしか存在しませんが、背景画像にはあまり似ていません。雪菜とデートする雰囲気が楽しめれば、それで十分でしょう。

江戸川遊歩道

 南末次駅を降りて大学や高校からさらに歩いたところにある川です。遊歩道の南端から北端まで散策してみましたが、ゲームの背景と一致する場所はなかったので、雰囲気が似ていたさくら堤公園の辺りで撮影しました。アニメ版だとピッタリと一致する場所があります。

立教大学新座キャンパス1号館

 ccで春希たちが通っていた峰城大学のモデルとされている場所です。聖地と呼べるかはかなり微妙なラインですが、立教大学が峰城大学を元にしている可能性があることも加味すると、聖地と言っていいのではないかと思います。雪菜とすれ違った建物や大学の校門にもモデルがないかとキャンパスを探し回りましたが、該当する場所はありませんでした。

南古谷駅舎

 南古谷駅は雪菜の実家がある末次町駅のモデルとなっています。実際にはKIOSKや書店はなく、写真を左右反転させています。新座からは近いですが、都心からは埼京線で一本とはいえかなり離れたところにあります。

 南古谷駅構内は、かずさの豪邸の最寄り駅である岩津町駅の構内に使われています。電車については、アニメでは総武線が登場するのに対し、ゲームでは全く異なる車両となっています。

アンナミラーズ高輪店

 春希や小春のバイト先の制服のモデルとなっているアンナミラーズは、都市計画により2022年8月に高輪店が閉店したことで、国内ではオンラインショップと期間限定出店のみでの営業になってしまっていました。しかしながら、日本上陸50周年にあたる2023年6月になんと仮想店舗がオープンし、アンナミラーズ高輪店を自由に歩き回ることができるようになりました。下記のリンクから、バーチャルショップに行くことができます。

https://web1.raycomide.net/sites/amShopPh1/src/index.html

その他

 今回の記事で取り上げた以外にも、雪の大谷、成田空港、長野電鉄長野線、ストラスブールが聖地になっています。雪の大谷は、icのクリスマスにかずさと雪菜と一緒に訪れた場所で、codaの浮気√で再び登場します。雪の大谷は富山県の立山黒部アルペンルートにありますが、現実では一般車両の乗り入れは不可能で冬場は閉鎖されています。成田空港は、第2ターミナルのチェックインカウンター・見学デッキと成田空港第2ビル駅がicのラストシーンに登場します。かつて成田エクスプレスとして運用されていたJR東日本253系電車も列車内の背景に使われていて、現在では長野電鉄2100系電車に転用されています。ストラスブールは、codaでかずさと再会した場所となっていて、作中で描かれているようなクリスマスマーケットが有名です。

 また、ccの麻理√では、バッティングセンターとニューヨークの空港内がCGに使われています。新宿にはバッティングセンターが2店舗ありますが、作中で言われているようなアミューズメントビルの最上階には構えていません。次に、ラストシーンの空港については、ニューヨークに2つ成田空港から直行便で飛べる国際空港があるとはいえ、モデルとなった場所があるのかは定かではありません。ccのヒロインの中では麻理√が好きだったので、いつかニューヨークに行くとき確認したいと思います。

 最後に、codaの雪菜true√で関西の雪菜の元に残らず、コンサートをするかずさのいる関東へ向かう際に、100系らしき新幹線が背景になっています。100系が東海道新幹線を引退したのは『WHITE ALBUM2』が発売されるよりはるかに前の2003年ですが、シンデレラエクスプレスのイメージから100系にしたのでしょうか。

おわりに

 以上、『WHITE ALBUM2』の聖地巡礼記事でした。私が本作をプレイしたのはだいぶ前のことだったので、記事を書いていると懐かしい記憶が蘇ってきました。冬コミに他9作品の聖地巡礼記事を寄稿しているので、もしよかったらそっちもよろしくお願いします。ご精読ありがとうございました。

コミックマーケット103

製品紹介

PC版

https://leaf.aquaplus.jp/product/wa2cc/index.html

PS3版

https://aquaplus.jp/wa2/

PS Vita版

https://aquaplus.jp/wa2vita/