『BLUE PROTOCOL』 ─1ヶ月後のサービス終了を控えて─
この記事は、東京大学ゲーム研究会アドベントカレンダー2024、18日目の記事です。
はじめに
TGA会員のSkyf Luteと申します。
この記事では、サービス終了目前となったゲーム『BLUE PROTOCOL』という作品について語らせていただきます。最後までお付き合い頂けますと幸いです。
※性質上、当記事には『BLUE PROTOCOL』についてのネタバレを一部含みます。
序文
皆さんは『BLUE PROTOCOL』というゲームをご存知だろうか。
このゲームは、株式会社バンダイナムコオンラインと株式会社バンダイナムコスタジオによる共同プロジェクトチーム「PROJECT SKY BLUE」の中核を成すコンテンツとして開発された、オンラインアクション RPG タイトルと位置づけられており、サービス開始早々に同時アクセス20万人、アカウント登録60万人などといった、国産のPC専用ゲームタイトル(現在はPS5版もリリースされている)としてかなりの記録を出した。
当ゲームは2024年6月14日に正式サービスを開始したわけであるが、タイトルにもある通り、ちょうどこの記事の公開から1ヶ月後である、2025年1月18日をもってサービスを終了することが正式に発表されている、(このような表現をしたくはないが)言ってしまえば「死にかけ」のゲームである。
一方で、このゲームは私にとってゲーマー人生の半分以上を占めると言っても過言ではないものであり、間違いなく私のゲーム体験において原点の一つとなっている作品である。この記事では、私の体験を振り返りつつ、『BLUE PROTOCOL』の魅力について語らせていただきたく思う。
『BLUE PROTOCOL』を実際に遊ぶことができるのはあと僅か1ヶ月しかないが、この記事に触れ、1人でも多くの方が本作を実際に体感してくれると非常に嬉しい。
『BLUE PROTOCOL』とは何か
本作について一言で表すとしたら、「惑星レグナスと言う名の異世界」というのが私にとって最もしっくり来る表現だ。
公式曰く、本作のゲームジャンルは「オンラインアクションRPG」であるが、世間一般にはMMORPGの一種であると紹介される場合が多い。実際、ゲーム性を捉えやすいのはこの表現であろう。
大勢のプレイヤーが同一のサーバーにログインし、リアルタイムで同じ世界に滞在し、隣を歩き、共に戦ったりする。本作はまさにそういったゲームである。
一方で、本作の最大の特徴はそのグラフィックにある。謳い文句である「劇場アニメに入り込んだような圧倒的グラフィック表現で紡がれる世界」という表現に誇張はない!(※個人の感想です)
以下は実際にゲーム内で撮影されたスクリーンショットである、加工は一切していない。
↑ユーザーイベント「ムラサキ好きの集い」での集合写真
↑ダンジョン「清明浄域 祖霊の墓所」の景観
↑本作のエグゼクティブプロデューサー、下岡聡吉氏のキャラクターとの2S、下岡氏(左)、私(右)
これらを見るだけでも、本作が近年多く見られるアニメ調タイトルの中でも、頭一つ抜けたグラフィック表現を持っていることが分かるのではないだろうか。
更に本作は、アニメ調ゲームとして非常に珍しい、(MMORPGとしては当然だが)キャラクリできるゲームなのである。上のスクリーンショットでも、プレイヤー一人一人が個性あふれるキャラクターを使っていることが分かるだろう。
これらのグラフィック表現の力もあり、本作でプレイヤーはまさしく「異世界」にいるかのような体験を味わうことが出来る。
『BLUE PROTOCOL』の歩み(と私の体験)
本作の情報が初公開されたのは、2019年7月5日、クローズドアルファテスト(以下:CaT)の実施発表である。なんと、私は当時中学三年生だった。
ゲーミングPCを手に入れたばかりだった私は、CaTの実施情報を友人から聞いて早速公開されたPVを見た。
ログ・ホライズンという、MMORPGをテーマとした作品の大ファンである私には、もうこれがたまらなかった。見たこと無い綺麗なアニメ調グラフィックで動くキャラクター、緻密に作り込まれたフィールド、壮大な音楽。全てが魅力的だった。
幸運にもテスターに当選し、実際に遊んでみると、衝撃的な体験だった。アニメの世界で、自分のキャラが動いて、他の人も一緒にいる。まさに「異世界」だった。
続くテストプレイであるクローズドベータテスト(以下:CBT)は翌年の4月に、更にマッチング負荷テストがその年の11月に実施された。世間的には色々と不評があったようだが、(この手のゲームを遊んだことがなかった)私は特に不満を感じることもなく、ただ純粋に楽しく遊ばせてもらった。
開拓局前ダンス(サーバー閉鎖前にゲーム内の街の広場で大勢が自然発生的にダンスをする現象)は、両テストで非常に印象に残っている。
2021年の夏には主題歌がL’Arc~en~Cielの「ミライ」に決定したこともアナウンスされ、サービス開始が近いのではと思われたが、その後公式は1年以上沈黙。次なる動きがあったのは、2022年11月である。
2024年早春のサービス開始と、最後となるテストプレイ、ネットワークテストの実施が発表されると、本作を待ちわびた多くのプレイヤーが歓喜した。しかし私にとっては問題が。
この時私は高校三年生、受験生である。早春って受験終わってからだよね?と色々考えたりもした。加えて、後日発表されたテストプレイの日程があの大学入学共通テストと丸かぶりだったのである。何たることか。
幸運なことに(本作にとっては不運でしかないが)不具合の発見によりテスト実施が延期されたことで、私は無事テストプレイに参加することができた。ちなみに大学は不合格、浪人生活の始まりだ。
ネットワークテストは2023年3月末から行われた。このテストでは今日まで親しくさせていただいている方々と出会うことができ、非常に貴重な体験だった。ちなみに3日のテスト日程で私のプレイ時間は40時間超、大学合格してたら入学準備で絶対こんなにプレイできなかったので、まあそこは浪人も悪くない。
テスト終了後、本作は2024年6月14日正午過ぎにサービスを開始した。多くのプレイヤーがサービス開始とともになだれ込み、サービスに障害をきたすなどの「お祭り」と共に、正式サービスは始まった。
2023年9月には、東京ゲームショウに出展、レプリカのゲーム内武器を持って写真撮影ができるブースや、会場での生配信も行われた。
↑プロデューサー陣が家庭用ゲーム機版のリリースを発表する様子
ゲームのリアルイベントには初めての参加だったが、同じゲームをプレイしている人たちに会って話してという体験は非常に楽しかった!
下岡氏ともお話させていただく事ができ、貴重な時間を過ごすことができた。
2024年にはユーザー数100万人や、サービス開始一周年といった節目を迎えつつ、不評だったゲームシステムの刷新なども行われていった。
しかし8月28日、公式より2025年1月18日をもってのサービス終了が発表されたのだ。
『BLUE PROTOCOL』の魅力
サービス終了が決まった本作ではあるが、本作は非常に魅力に富んでいる。少なくとも私はそう思っている。
魅力その① グラフィック表現
本作の魅力の筆頭となるのは、間違いなくそのグラフィックであろう。刻々と移り変わる空、フィールドを流れる風、草木の揺れ。緻密に構成された背景はかなりリアルに寄った表現で作られていながら、アニメ調で描かれるキャラクターが浮いて見えることもない。
自由度の高いキャラクタークリエイトができるにも関わらず、皆どこか同じ世界の住人としての雰囲気を保っている。
実際にゲーム世界に降り立って、その魅力を感じてもらいたい。
魅力その② ストーリー・世界観
ファンタジーベースでありながら、未来的な要素が混ざり合う本作独特の世界観は、グラフィック表現と相まって非常に味わい深い。ストーリーの登場人物たちも個性に富み、シナリオは複雑で奥深く、ムービーシーンはまさにアニメそのものである。
魅力その③ 交流
チャット、エモートなどの機能を使い、他のプレイヤーと様々な交流を行うことが出来る。パーティーを組んで戦闘コンテンツにチャレンジしたり、プレイヤー主催のユーザーイベントに参加したり。アニメ調の個性あふれるキャラクターで交流するのは、本作でしか味わうことのできない体験だろう。
魅力その④ 自キャラ
私は自キャラ(自分がゲーム内で使用しているキャラクターのこと)こそが、本作を魅力的にするものだと思っている。自身の分身が、画面の中の美しい世界で走り、戦い、踊って、喋って。自分の好きを詰め込んだキャラを誰でも作れる。
『BLUE PROTOCOL』への思い
稚拙な記事を最後までお読み頂きありがとうございました。
本作からは、数多くの希少な体験やかけがえのない出会いを頂きました。
正直言って、サービス終了というのをいまだ受け入れられない自分がいます。なんでこんな魅力的なものが終わってしまうんだ、おかしいだろ、という気持ちでいっぱいです。
荒削りな作品であることは否定できませんが、何にも勝るポテンシャルを持っている筈だ、そう思ってなりません。
本日、『BLUE PROTOCOL』は最後のシナリオ追加アップデートが行われます。泣いても笑っても最後の1ヶ月。全力で楽しんでいくつもりです。
『BLUE PROTOCOL』をプレイしているあなた。どうか最後までよろしくお願いします。一緒に楽しみましょう!
そして『BLUE PROTOCOL』をプレイしていないあなた。ぜひどうか、一度でも良いから本作を体験していただければと思います。きっと得るものがある筈です。
―貴公らの旅に、幸運があらんことを。