デュエプレは先攻ゲーか?

この記事は、東京大学ゲーム研究会アドベントカレンダー2025、25日目の記事です。

初めに

皆さんこんにちは。もうしばらく副代表を務めることになったMです。
今回はデュエル・マスターズ プレイスは先攻ゲーなのかというテーマについて検証してみようと思います。

というのも、筆者自身が対戦を重ねる中で「この試合、先手後手の差で勝敗が決まっているな」と感じる場面が少なくなかったからです。
そこで感覚論にとどまらず、実際にデータを取って確かめてみることにしました。

検証期間は12/19〜20。使用したデッキリストは以下の通りです。

採用理由

  • DG ~裁キノ刻~

     ナハトの使用率が高いと感じたため有効なメタとして採用。

  • 剣参ノ裁キ

     安定した初動として。

  • 終末の時計 ザ・クロック

     とにかくターンが欲しい場面が多いため。

  • トライガード・チャージャー

     初動にもなり、耐久にも貢献するカード。

  • クリスタル・メモリー

     痒いところに手が届く万能札。盾から踏んでサッヴァークに触れる動きが強力。

  • 音感の精霊龍 エメラルーダ

     盾に仕込んだカードを能動的に起爆できる点を評価。

  • ドラゴンズ・サイン

     本デッキのコンセプトの一つ。サッヴァーク射出装置。手打ちでも盾からでも強力。

  • ドレミ団の光魂Go!

     デッキコンセプトを支える重要カード。盾からドラゴンズ・サインを引き込む確率を高め、アグロデッキへの勝率向上に寄与。

  • 天ニ煌メク龍終ノ裁キ

     デッキ全体の打点を底上げするため採用。クリスタル・メモリーで触れたり、トライガード・チャージャーで再利用できるためこの枚数でも成立すると判断(実際には3枚あってもよいと感じました)。

  • 煌龍 サッヴァーク

     コンセプトカード。ViVyを離れなくするだけでなく、龍終を添えて雑に殴るだけで勝てるパワーを持つ。

  • サッヴァーク ~正義ノ裁キ~

     実質サッヴァークの5枚目以降。アグロにも対応したかったため2枚採用。

  • ノヴァルティ・アメイズ

     アグロ対策として。

  • 禁断機関 ViVy-R

     あまりにも理不尽な性能だったため、これを前提にデッキを構築。面白くないタイプの強さだが、無視できない存在。

勝率

項目 試合数 勝利 敗北 勝率
先手(先攻) 10 7 3 70.0%
後手(後攻) 14 8 6 57.1%
合計 24 15 9 62.5%

今回の検証では、先手時の勝率が 70.0%、後手時の勝率が 57.1% となり、およそ13ポイントの差が見られました。

試合数が少ないため統計的に有意とは言えないものの、体感として感じていた「先手有利」は、少なくとも数字の上では裏付けられた形になります。

本デッキは、トリガーを多めに採用し、後手からでも盾受けによって試合をひっくり返せる構成を意識しています。実際、後手でも一定数は勝利できており、「後手ガン不利」というほど極端な結果ではありませんでした。しかしそれでも、先手の勝率が明確に上回っている点は無視できません。

特に先手の場合、

  • ViVyを早期に設置しやすい

  • サッヴァーク着地までのターン管理が安定する

  • 不利対面でも主導権を握ったままゲームを進められる

といった要素が重なり、終始こちらのペースで試合を進められる展開が多く見られました。一方、後手ではトリガーを踏めるかどうか、また踏んだ後に反撃へ転じられるかに勝敗が大きく依存しており、展開の再現性は先手に比べて低かった印象です。

以上を踏まえると、本デッキに限らず、デュエプレ全体としても先手が有利に働きやすい構造になっている可能性は十分に考えられます。

結論

本検証は、24試合という限られたサンプル数によるものであり、統計的に強い主張を行うには不十分であることは前提としておく必要があります。しかしその一方で、先手・後手で約13ポイントの勝率差が生じたという事実は、単なる偶然として片付けるにはやや大きい差であるとも言えます。

特に今回使用したデッキは、トリガーを厚く採用し、後手からでも受けに回れる構成を意識しています。そのようなデッキであっても、なお先手の勝率が高く出たという点は注目に値します。つまり、デッキ構築によって後手不利をある程度緩和することは可能であるものの、先手が持つ構造的な有利を完全に打ち消すことは難しい、というのが現時点での結論です。

また、プレイ感としても、先手ではゲームの主導権を握ったまま展開できる試合が多く、後手では相手の動きに対応する形になりがちでした。勝敗だけでなく、試合展開そのものにも先手・後手の差が現れていた点は、勝率以上に重要な示唆を与えているように思われます。

以上を総合すると、断定的な表現は避けるべきではあるものの、デュエル・マスターズ プレイスは少なくとも現環境において「先攻有利なゲーム」である可能性が高い、と結論づけられます。

今後、試合数を増やし、デッキタイプや対面ごとの分析を行うことで、より精緻な議論ができる余地は大いに残されています。

やはり、先攻は強い。

最後に

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

来年もアドベントカレンダーは開催予定ですので、ぜひまた読みに来てください。